清掃箇所と方法
V溝にゴミが付着していると軸ズレの原因となり、低損失での融着接続が不可能となります。 接続損失が大きい時、融着接続前検査にて軸ズレ不良が発生する時、およびV溝上に汚れやゴミの付着が見られる時には次の手順で清掃を実施してください。- 清潔な綿棒の先端にエチルアルコールを少し湿らせ、V溝の上から慎重になぞってください。
- 軸ズレ量が大きい時には、光ファイバ心線を使用してV溝の中のゴミをかき出します。被覆除去、清掃、切断の前処理を施した光ファイバ心線で、V溝の底をなぞります。
※光ファイバ心線を使用しての清掃作業の際は保護めがねを着用してください。
ファイバクランプ清掃
ファイバホルダクランプは風防の中に設置され、V溝の上から光ファイバ心線を押さえる役目をします。- 風防を開き、ファイバクランプを確認します。
- エチルアルコールを湿らせた綿棒でファイバクランプの先端の汚れを拭き取ります。
風防ミラー清掃
液晶画面を見て画面の明るさのムラが出たり、融着接続前検査でエラーが頻繁に発生する場合、風防ミラーの汚れが原因となっている可能性があります。- 風防を開き、風防ミラーを確認します。
- エチルアルコールを湿らせた綿棒で風防ミラー表面の汚れを拭き取ります。
加熱器クランプ清掃
加熱器クランプに汚れがあると把持力が低下し、光ファイバ心線の滑る原因になります。光ファイバ心線が滑ると加熱器の中で撓んでしまい、収縮不良になります。クランプ上に汚れやゴミが付着した時には次の手順で清掃を実施してください。- 加熱器のクランプを開けます。(左右共)
- エチルアルコールを湿らせた綿棒で加熱器クランプの汚れを拭き取ります。
電極棒清掃と交換
放電の回数を重ねると融着接続の際に融けたガラスの微粉末が電極棒の先端に付着したり、電極棒の先端形状が崩れたりしてきます。これは、放電が安定しなかったり放電強度が変化する原因となりますので、次の手順で電極棒の清掃と交換を実施してください。
※電極棒の清掃・交換時には、必ず機器の電源を切ってから作業してください。
- 固定ネジを緩め、電極台カバーを取り外します。
- 電極台カバーを軽く引き上げると、電極棒が一緒に外れます。
※電極棒を落とさないように注意してください。 - 電極棒を持ち、電極棒の先端(約0.5~1.0mm)を電極棒研磨用ゴム砥石に突き刺し、3~4回ほど回転させ、電極棒先端に付着したゴミを取り除き、エチルアルコールを湿らせたコットンを用い清掃します。
- 電極棒のつまみを持ち、所定の位置にセットし固定ネジを締めてください。
- 風防を閉め、融着接続機本体を起動させ、『△』キーを数回押し、空放電します。