お客様の声・渋谷区

路上喫煙・ポイ捨て過料処分の実効性確保と現場の負担軽減をボディカメラの運用で両立

渋谷区役所 環境政策部 環境整備課 きれいなまちづくり係
中尾 浩則さま(左)/花形 快さま(中)/西島 里桜さま(右)

取材日:2026/08/24

渋谷区様

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業界 : 自治体
従業員数 : ー ※人口・231,047人(2026年8月1日現在)

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ボディカメラどこでも“me”REC+(Pocket2 Plus)

レンタルボディカメラの活用メリット
▶ リアルタイムの収録動画をクラウドへ直送。30日自動消去でデータ流出リスクを排除
▶ レンズカバーの開閉だけで録画ON/OFF。現場が直感的に扱えるシンプルな操作性
▶ ラインナップ外の装着具まで調達できる、「現場ファースト」な柔軟サポート
「ポイ捨て」の急増やトラブルに対し、過料を伴う対策を強化

「きれいなまち渋谷」を守るためにポイ捨て行為に対する過料処分を断行

 国内外から多様な来街者が訪れる渋谷区では、1997年(平成9年)に「きれいなまち渋谷をみんなでつくる条例」を制定し、「自分のごみは、自分で持ち帰ること」を基本として、ポイ捨て禁止の啓発活動を続けてきました。「きれいなまち渋谷をみんなでつくる。」という理念のもと、区民をはじめ、各地区の美化推進委員会、事業者、ボランティアなどが一体となって、まちの環境美化を保ってきたのです。
しかし、コロナ禍後に来街者が増加し、繁華街を中心に路上喫煙やポイ捨てごみが急増します。巡回員による違反者への指導や、事業者への回収容器設置などの協力依頼を重ねてきたものの、従来の美化・啓発活動だけでは追いつかなくなっていました。
 そこで渋谷区は、「きれいなまち渋谷をみんなでつくる条例」を改正し、ポイ捨て行為に対する過料制度の導入や、事業者による回収容器設置の義務化など、対策の強化に踏み切ります。ポイ捨て行為にはもともと罰金刑(行政刑罰)が定められていましたが、実際の立件には警察や裁判所の手続きを要し、これまで取り締まりの実績はありませんでした。そこで、区が主体となって直接徴収できる「過料2,000円(行政上の秩序罰)」へとルールを改め、実効性を確保。2026年6月1日より、ポイ捨て行為に対する過料処分が始まりました。
 この取り締まりを担う「きれいなまちづくり係」は、職員7名と、巡回員60名で、24時間365日、区内のパトロールを実施しています。

実効性ある取り締まりのための証拠保全と巡回員の安心できる実務環境が課題に

 新たな制度の運用にあたって、区が重視したのが客観的な証拠の保全でした。その背景には、従前から路上喫煙の過料徴収を続けてきた現場の実感があります。「違反行為の認定や事実関係について確認を求められる場面もあり、客観的な証拠を保全することの重要性を認識していました。特に、ポイ捨て過料制度は新たな取組であることから、違反行為や指導の状況を客観的に記録できる体制を整備する必要があると考え、ボディカメラの導入を検討しました」と、西島さんは当時を振り返ります。
 もう1つの狙いは、現場の最前線に立つ巡回員自身を守ることでした。「違反行為を客観的に現認・記録し、制度を厳格かつ公平に運用するための仕組みとして、また、現場で毅然とした態度で指導にあたる巡回員たちの安全を確保するために、ボディカメラの導入が必要不可欠だったのです」と、中尾さんは導入の意義を語ります。

庁内の高いセキュリティ要件と現場目線の操作性を確保

ボディカメラ導入のハードルを超えた2つのソリューション仕様

 自治体がクラウドサービスを伴うボディカメラを導入する際、最も高いハードルとなるのが「庁内の情報セキュリティ基準」と「個人情報保護法に基づくルール策定」です。渋谷区でも、プロジェクトの始動から導入確定まで、半年以上にわたる庁内調整が必要でした。事業を進めたい環境整備課 きれいなまちづくり係と、庁内の厳しいセキュリティ要件を担保する法務・個人情報保護部門とが、細部の論点を突き合わせていったといいます。
 この「壁」を突破する決定打となったのが、当社が提供する「どこでも“me”REC+」に採用されたカメラソリューションの、大きく2つの仕様でした。
 1つ目は、「カメラ本体に映像を収録するSDカードなどのディスクが存在しない」という仕様です。撮影された映像は、LTE回線を通じてリアルタイムに、直接クラウドへ暗号化送信されます。「万が一、巡回員がカメラを現場や公衆トイレなどに忘れてしまったり、紛失したりしても、機器本体から映像データが抜き取られる心配がありません。個人情報保護部門との折衝において、これが最大の突破口になりました」と、中尾さんはその効果を明かします。
 2つ目は、「クラウド上の30日自動消去ルール」です。トラブルのないケースでは映像を確認する必要がなく、クラウドに記録された動画データは、30日を経過するとシステム的に自動で完全削除されます。違反者とのトラブル事案などに限り、日時を突合して映像を閲覧・カット抽出します。抽出したデータは、渋谷区側の隔離された個人情報系の仮想空間で保管し、外部への流出可能性をなくしています。
 この「運用に人の手を介さず、消し忘れを防ぐ自動ライフサイクル」が、ISO認証やデータ保管場所、暗号化通信といった厳しいセキュリティ要件を満たす担保となりました。本体にストレージを持たない物理仕様と、人の手を介さない自動消去。この2つがそろってはじめて、庁内の厳しいセキュリティ基準とルール策定の要件を満たすことができたのです。

現場が実感している優れた使い勝手特筆すべき便利機能とは

 セキュリティ面の「壁」を越える2つの仕様に加えて、現場で特に重宝されているのが、「レンズカバーのスライド開閉だけで、瞬時に録画のON/OFFができる」という直感的な操作性です。私有地や商業施設への立ち入り、休憩時のトイレ内などでは撮影をオフにする……個人情報保護法の監督上、渋谷区はそうした厳格な運用ルールを設けています。「一般的なカメラのように、ボタン操作で起動を待つような仕様だと、電源トラブルに気づきにくい。レンズカバーのスライドで瞬時に録画ON/OFFできるのは、見た目にも分かりやすいですし、手ぶれ補正がかなり効いていて、映像・音声ともにクリア。雨天時の利用も、夜間の視認性も十分です。この仕様こそ、現場にとっても管理にとっても最適解でした」と、花形さんは使い勝手を評価します。
 指名競争入札の要件をしっかりと満たし、本格運用に入ってからも評価は上々です。狙って導入した仕様が期待どおりに機能していることに、中尾さんも「期待した効果がしっかり得られていて、本当によかったです」と満足げに話します。

現場ファーストで運用実行性にとことんこだわる

ラインナップ外の装着具を別入札で調達しきった当社の機動力にひと安心

 本運用の成功を支えるもう1つの要素が、過酷な巡回環境に適したアタッチメント(装着具)へのこだわりです。カメラ納品後の操作説明会で、当社は付属のクリップマウントや、別売りのショルダーストラップ、チェストマウントなどを提案しました。ところが、ビブス(制服のベスト)の上から装着して試すうち、長時間の徒歩や小走りに耐えられず落下するリスクや、ビブスに干渉するといった課題が、巡回員から次々に挙がります。「そうしたお声をいただいたので、いったん持ち帰ることにしました」と振り返るのは、当社で本件を担当した、ビジネス営業本部 首都圏営業所 サブチーフの大川です。
 「渋谷区さまの仮運用では、衣服を表裏から挟み込んで固定する強力なマグネット式のマウントがよい」という方向性にまとまったそう。これは当社の取り扱いにはないアタッチメントでしたが、在庫を確保し、別途実施された指名競争入札に参加して見事に落札。販売形式で「マグネット式ネックレスマウント」を調達・納品するという、柔軟な機動力を見せました。
 巡回員全員がカメラを装着する「本格運用」は、夏休みで人出の増える7月末から始まっていました。アタッチメントの変更は8月初めのことで、納品後すぐにセットして円滑に使えているといいます。通常メニューにない装着具を迅速に調達しきった当社の対応に、中尾さんは「御社のサポートがあったからこそ、トラブルもなく、お盆の繁忙期を前に万全の体制へ移行できました。操作説明会での丁寧なレクチャーも含め、その後の対応にも本当に感謝しています」と謝意を寄せていただきました。

「カメラ作動中」が生む抑止力は管理側の運用負担も軽減

 現場での効果は、劇的に現れています。胸元に“カメラ作動中”と大きなラベルの付いたカメラがあること自体が、違反者への強い抑止力になっているのです。「以前は、証拠を見せろとの要求も多く、対応に苦慮していました。しかし、相手が明らかに態度を軟化させ、暴言やもめ事が少し減ったと感じている巡回員は多いです。また、ボディカメラを装着していることで証拠がしっかり保全されていると安心でき、気持ちの上で指導がしやすくなったという声も集まっています」と、花形さんは現場の変化を語ります。
 管理側では、常時モニタリングを行う運用とはせず、省人化も図られています。巡回中の客観的な音声・映像と位置情報が、確実に長時間記録されている……その事実は、現場に立ち会っていない管理者が、事後的にクレームの真偽を正確に判断・対応できるという、組織防衛上の効果も生み出しています。

全国の自治体が注目する先駆事例として

データドリブンな行政DXへパートナーとしての当社に期待

 いま、この先進的な「ポイ捨て対策×ボディカメラ」の取り組みは、全国の自治体から注目を集めています。ボディカメラを導入したというニュースが報じられるやいなや、複数の自治体から運用要綱についての問い合わせが寄せられたといいます。「最初の仕組みづくりに相当なカロリーを使うところで、法令上、抜けのないよう整備するのが大変です。今までやったことのない事例ですから、美化活動に熱心な自治体にとっての、モデルケースの1つにはなるかもしれません」と、中尾さんは手応えを語ります。
 ポイ捨てや落書き、路上喫煙などの迷惑行為によって、まちの美観や生活環境が損なわれること。これは、都市部の自治体に共通する課題ではないでしょうか。渋谷区は「環境の悪化は、それ自体が新たな迷惑行為を誘発する要因にもなり得るため、問題が大きくなる前に継続的な対策を講じ、良好な環境を維持していくことが重要」だと考えています。過料制度とボディカメラを組み合わせた運用の仕組みは、次に続く自治体にとっても参考になるはずです。
 その視線は、すでに次の一手へと向かっています。「今後は、蓄積されるGPS位置情報の走行軌跡データを活用し、ポイ捨ての多発エリアに合わせた効率的な巡回ルートの再策定や、さらなる美化活動への連携といった、データドリブンな行政DXにも取り組んでいきたいです。これからも私たちのパートナーとして、御社には期待しています」と、花形さんは今後を見据えます。

 
渋谷区さま 案件概要
日本最大級の商業・観光拠点として、国内外から膨大な人が行き交う渋谷区。同区は、路上喫煙・ポイ捨て対策の巡回業務で使用するボディカメラの調達を決め、指名競争入札を実施した。これに応じた当社は、ボディカメラ「どこでも“me”REC+」(Pocket2 Plus)をレンタルで提供。2026年6月1日に始まったポイ捨て行為への過料処分(過料2,000円)の運用を、証拠保全の面から支えている。庁内のセキュリティ要件を満たしながらフル稼働が始まったカメラソリューションは、取り締まりの最前線にいる巡回員たちからも評判のようだ。

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